こんばんわ
事務局Kazuです。
シューマッハといえば、「ああ、レーサーの」と思うでしょう。
シューマッハという名前は、ドイツでは結構ある名前らしく、これから話題にするエルンスト・フリードリッヒ・シューマッハもドイツのボン生まれの経済学者です。
もう亡くなって30年以上たつ彼が生前書いた有名な本に「スモールイズビューティフル」というのがあります。
副題が「人間中心の経済学」
タイトルからわかるように、スモール(小さな)経済の重要性を説いた本です。
本の発行は1973年。
その直後に起きたオイルショックを予言した本として、当時世界的ベストセラーになった本です。
決して予言の書ではないのですが、彼がこの本の中で危惧していたことが一番先に起きたのがオイルショックだったということです。
当時の非人間的な経済のあり方にかれは警鐘を鳴らしているのですが、残念ながら時代は彼の理想とは違った方向に進んできたことが、この本から読み取れます。
その意味でこの本は、今でも全く古くなっていない、つまり、彼の指摘する問題点は改善されていないということです。
原発のことに対してシューマッハは以下のように述べています。
「経済学と言う宗教は、急激な変化を賛美するものであって、確実によい変化かどうかがはっきりしないものはむやみに歓迎すべきでないという、基本的真理を無視している。
核分裂というものが、人間の生命にとって想像を絶する類例のない特殊な危険だと言うことが全く考慮されておらず、口の端にのぼったことすらないのである。
これこそ経済学という宗教に毒されて、政府も国民も原子力の『採算性』にしか目を向けていない例である。」
「原子炉が壊すことも動かすこともできず、そのまま、たぶん何百年もの間、あるいは何千年の間放置しておかなければならないこと、そしてこれは音もなく空気と水と土壌の中に放射能をもらし続け、あらゆる生物に脅威を与えると言うことである。」
「地震は起こらないものと想定されており、戦争も内乱も、今日アメリカの諸都市に蔓延している騒擾(そうじょう・”乱れ”の意)も、予想の中には入っていない。使用済みの原子力発電所は、醜悪な記念碑として残り、人類の未来には脅威も動揺もまったくないか、かりにそれがあったとしても、今日わずかでも経済的利益がある以上、未来は意に介する要はないという考えの愚かさを記録し続けるのである。」
明日の朝にでも、評論家が言いそうな言葉ではないですか?
シューマッハのこの本に中には、今からでも遅くない、私たちが持続的な社会を取り戻す方策がたくさん書かれています。